ドイツ研修壮行会で1年ぶりの東京〜マネージメントと「現場」について

とタイトルに書いたが、東京に行ったのは一昨日の土曜で、宿泊出張すると身体がしんどいため、夕方には大阪に戻ってきていたのだった。
で、そのまま疲れて10時には寝てしまい、やはりというか予想通り、僕の出演したFM番組(「FM大阪で収録してきた」)は聞かずじまい。何人かの知り合いから「聞きました」メールをいただいた。ありがとうございます。

東京はほぼ1年振り。1年前は、退院してまだ3ヶ月くらいだったのに、無理して出かけたのだった。それは、厚労省の表彰(若者自立支援功労団体・厚生労働大臣表彰)で、プラッツとしては初めての表彰だったから、国の表彰式ってどんなものだろうと興味がわき、I統括リーダーに付き添ってもらってへろへろになって東京までたどり着いたのであった。
表彰式そのものは、実にフツーの、しかもみんないっしょでの受賞の、まったくあっさりしたもので、その意味ではいい体験になった。国の表彰式って、あんなものなんですねぇ。
でも、その効果(つまりはブランドイメージの上昇)は、じわじわと今も効いているように感じる。その意味でも、表彰というものの活用の仕方をもうちょっと有効に構築しなければいけないんだろうなあ。

今回の東京は、スタッフT主任が内閣府の「青年社会活動コアリーダー育成プログラム」というものに見事合格し、晴れて10日間のドイツ研修に派遣される、その壮行会があったため。内閣府からのメールに、「上司として」参加されたし云々と書かれていたので、深く考えることなく出かけていったのであった。
場所は代々木オリンピックセンター。2年前、僕はここで青少年支援者30人ほどを相手に講師をした。そして1年前、病気で倒れることがなければ、より大きな規模で講師をする予定だった因縁の会場だ(ちょい大げさか)。
この1年は僕としては、何となく記憶が断片的で時間感覚も変だったので、一昨日代々木オリンピックセンターに入った時、2年前の講師体験が、まるで1年前のように感じられた。

会場は思ったより狭く、来ていた「上司」の方たちも予想以上に少なかった。表彰式も壮行会も、国系の行事ってこんなもんなんだろうなあ、とあらためての学び。
当日は、ドイツ派遣の「青年」組とは別に、デンマーク派遣の「高齢者」組、ニュージーランド派遣の「障害者」組と、三組合同の壮行会だった。将来の指導者/経営者育成のため20〜30代の人達が選ばれており(そこに「青年組」が入っているのがうれしい)、非営利セクターのマネージメントも学んできてほしい云々と主催者挨拶があった。
プラッツではこれから、高齢者介護(あるいは障害者介護も)とニートをどうにかして結びつけていきたいと思っているので(「老人介護に動的ニートが取り組む時代がやってきた」)、このように、高齢者・障害者と青年が同じ括りにされていることに、少し安堵する。

塩分いっぱいの食事を何とかして食べながら、「青年組」で派遣される人たちと会話した。なかには、若くして指導者の方も複数含まれ、南は沖縄の方も来られるなど、頼もしく感じた。そこに我らがT主任も堂々と加わっている図もなんだか頼もしく、思わず塩分いっぱいのピザを2枚も食べてしまった。

若きリーダーの女性との会話のなかで、このような話が出た。
NPOで働く人たちは元々「現場」がやりたくて志を抱いて入社している。逆に言うと、そうした「現場への志向」がなければ彼女ら彼らは安月給のNPOにはやってこない。
ところが、ここ10年の「行政とNPOの連携」の急速な高まりとうねりのなかで、非営利セクター/NPOは組織拡大し、どうしても「マネージメント」を導入する必要性に迫られている。
けれども、NPOで働く人は元々「現場への志向」をもった人たちだ。その人達の一部が、必要に迫られて「マネージメント」を行なっているというのが実情。そのマネージメントもほとんど手探り状態で行なっているのが実情で、また、マネージメントだけ専従で行なうこともなかなか難しい。

聞きながら、倒れる前の自分を思い出した。今プラッツは、「代表(人事・管理会計・事業構想・広報)-統括リーダー(人事・管理/財務会計・事業統括/運営)-主任(事業運営)/主任補佐(財務会計実務・主任補佐)」というシンプルな組織体系だが、よく考えると、倒れる前の僕はこのすべてをほとんど一人でこなしていた。
10年前にNPOになったときは、完全なボランティア型NPOであり、事業規模も現在の10分の1だった。その規模であれば、ひとりでも回そうと思えば回せる。
しかし、そのまま組織改革を行なうことなく、10倍の規模になったというのに、一人の人物がすべてを取り仕切っていた。
これでは、その一人は確実に倒れるし、組織そのものも発展しない。経営には、規模の発展に合わせた組織変革が常に求められる。こんな基礎中の基礎を、僕は倒れて初めて学んだというわけです。とほほ。

二枚目の塩分いっぱいのピザを頬張りながら、目の前の若き女性リーダーの話を聞いているうち、倒れる前の僕より遥かに計画的でクレバーなようだから、なんとか乗り切れるだろう、今回のドイツ研修がこの人にとってよいものになればいい、と祈らざるをえなかった。
そして、どのNPOも陥ってしまう、こうした「組織拡大に応じたマネージメントの変遷」について、何らかの勉強会を行なわなければいけないと固く胸に誓った僕なのであった。

こうして、どんどん「働きモード」になってきていますが、仕事は、①食事②睡眠③ぼぉーっとすることの次、四番目であることを絶対守るとこれまた固く胸に誓っていますのでご安心を〜。★