2011年10月30日日曜日

「スモールステップ・ワークショップ」を試してみた

今はまだ日曜朝7時前なのだが、相変わらず僕は11時前就寝で5時半には目覚めるため、脳はすっかり普通の活動状態になっている。その早朝時間を利用してウォーキングをしたらと知人たちにすすめられるものの、朝外出は何となく気が進まない。
というわけで、試しに早朝ブログにトライしてみることにした。といっても、今までも朝の8時頃書いていたので、それが1時間半早くなっただけなのだが。どうせとっくに目覚めてるんだし、布団の中でゴロゴロするよりはましか。

先日、某所で4時間にわたってワークショップを(A主任補佐とともに)担当させてもらった。その内容が、思いつきのわりには結構汎用性があったので、忘れないうちに書いておこうと思う。
僕にとっては何よりも4時間も人前で話せたということが、病気からの回復という意味で自信になったのだが、今回は病気話はスルーして内容を紹介しておこう。

ブログのタイトルにあるように、淡路プラッツがこの頃あちこちで提唱している「スモールステップ支援」の各スモールステップを参加者が支援者の立場にたって検討していくという、実にシンプルな内容だった。スモールステップは以下の10段階に分かれる。

●アウトリーチ支援段階
1.親子断絶型ひきこもり
2.外出不可型ひきこもり
3.外出可能型ひきこもり

●「生活支援」段階
4.心理面談型ニート(a..コミュニケーション〈会話等〉  b.生活体験〈料理・清掃・買い物等〉  c.レクリェーション〈スポーツ・旅行等〉)

●「就労支援」段階
5.就労面談型ニート
6.短期就労実習型ニート
7.長期就労実習型ニート
8.短期非常勤雇用(アルバイト)型ニート……語義矛盾だが、現実にはバイト/ニートはクリアにステップアップしない。
9.長期非常勤雇用(アルバイト)型ニート
10.正規雇用

これは、「スモールステップ自立支援のフレームワーク」というタイトルで6月18日の当ブログにも書いているので参照されたい。3年前に岩波ブックレット『ひきこもりから家族を考える』を書いた時は、スモールステップはもっと大雑把なものだったが、最近このように細分化され、より可視化されて支援に使いやすくなっている。

参加者は35名程だったので、これを4班に分け、各段階ごとに①各班で話し合い②各班で発表③評価というシンプルな構成で進めた。はじめに発達障がい等の「ひきこもりの3つの背景」を説明したあと(上岩波ブックレット参照)、この構成で、1の「親子断絶型ひきこもり」から順番に進めた。
4の心理面談型ニートの段階は、a.コミュニケーション〜b.生活体験〜c.レクリェーションの三段階に分け、一段階ごとに①〜③を行なってもらった。
①〜③ははやめにすすめても20分はかかるので、1〜3だけで余裕で1時間は超える。さすがに僕の脳は、1時間ごとに休憩しないと疲弊しきってしまうから、15分ごとの休憩を入れていくと、あらまあ、あっというまに4時間たった。それも、5の段階までで4時間が過ぎてしまったのだった。

現実には、7以降は支援の必要性が薄くなってくるため、ワークは6段階まですすむことができれば十分だ。その意味では、5まで進めたことはまあまあうまくいったと言える。
ワークの中身は、上に書いたとおり、話しあって発表して講師が評価してと、いたってシンプル極まるもので、な〜んにも刺激的なことはないし目新しいことはない。
しかし、全体を体験していくと、これがおもしろいことに、架空の「ひきこもり」青年が(しかもあえて細かな設定をしていない)、1、2、3、4……と、あたかもスモールステップを昇って徐々に社会参加していっているような錯覚に陥ってしまうのだから不思議だ。

だんだんワークも進んでいくと、たとえば「b生活体験」の段階での「カレーを青年と作ってみましょう」という提案が、班の中で、あたかもスタッフミーティングがそこで行なわれているかのように盛り上がってさまざまな提案が交わされている。
「c旅行」で、僕が「では青年を沖縄旅行に引率してみましょう」と提案すると、各班の中で自発的に「沖縄は遠くてお金もかかるし」と勝手に行き先を白浜に換えたりする。このあたり、講師は何も指示しないのに、有機的に班の中で変更が行なわれた。
参加者の意識が高かったということが第一の原因だろうが、「スモールステップ」ごとに青年の成長を考えるというこのプロセスそのものが、擬似支援になっており擬似スタッフミーティングになっているのだと、僕は帰りの電車で気づいた。

このコンテンツはわりとスタッフ研修で使えます。北海道から沖縄まで、交通費とちょっとの謝礼をいただければ、僕は出張講師に伺いますよ〜。★