2012年6月26日火曜日

ポスト「シェアNPO」の可能性〜6/25イベント「シェアNPOとオルタナティブNPO」報告


右から工藤さん・田中・加藤さん(古今堂さん撮影……古今堂さんのFacebook投稿写真より)
■シェアNPOとオルタナNPO

昨日(6/25)、育て上げネット理事長・工藤啓さん、経営コンサルタント・加藤徹生さんとともに、「シェアNPOとオルタナティブNPO」と題したイベントを、関西カウンセリングセンター理事長・古今堂靖さんの進行で行なった。
非常に有意義なイベントで、僕としては、このイベントに期待していた目的をほとんど果たすことができた。

3部構成のイベントで、1部は加藤さんの司会で僕が「シェアNPOとオルタナティブNPO」について語った。中身は当ブログのこの記事この記事に書いたとおりなので参照されたい。
要は、団塊世代が形成する「オルタナティブNPO」に対して、35才前後の団塊ジュニアが起業・経営する新しいかたちのNPOを「シェアNPO」とする。
オルタナNPOは「理念」を共有するが、シェアNPOは、互いの(期間限定の)利益と情報を共有する。そしてシェアNPOは、お互い無理ない範囲で連携していき「ウィンウィン」であることを是とする。


オルタナNPOは理念を共有し「ネットワーク」していくことに対して、シェアNPOは利益と情報を共有して「コラボレーション」していく。コラボは時間限定でもあるので、当初の目的を果たし時間が過ぎるとそのコラボを解体し、次のコラボを形成する。
NPOなので大きな理念(子どもの幸福等)は共有しているものの、どちらかというと「利益の共有」でつながっている。


■育て上げネットの斬新さ


こうしたことを説明したあと、2部は工藤さんが、「育て上げネット」による様々な画期的事業の報告(それらにはいろいろなかたちの「シェア」が見られる)を行なった。
詳しくは育て上げネットHPを参照いただきたいが、あらためてそれら多重的な試みを聞くと、その斬新さ・普遍性に驚く。

少子高齢化社会において、「若者・女性・高齢者」の社会参画は必須のテーマだが、このうち最も重要な「若者の社会参画」に関して、「シェア」(大手企業・NPO・行政などシシェアのパートナーも幅広い)の手法を縦横無尽に駆使する同法人は、若者(特にニート)支援において日本ナンバーワンだと僕は思う。

■問題が「近い」

3部は、それらを受けてこれからの展望を3人で語った。
僕としては、工藤さん世代のNPOの、次の世代(現在25才前後)のNPO、またはその次の世代(現在15才前後)がやがて創業するであろうNPOがどのようなかたちになるかが最も興味があった。

だからあえて過激な調子で、昨日参加していた25才〜30才のNPOの代表の方々に質問してみた。あなたたちは、何を求めてNPOを経営・運営しているのか、と。

失礼なツッコミも多々あったと思うが、それにも負けずに彼らが答えてくれたことから見えてきたのは、ある種の「問題への近接性」「ポジティブな当事者性」といったことだった。

昨日お答えいただいたお二人とも、10代の頃は苦労されていた。けれども、現在NPOの前線で活躍しておられる。
少し前であれば、そうした「当事者経験」は起業や社会貢献には結びつかず、どちらかといえば「自分探し」に結びついた。

半径3メートルの問題意識

だが現在は、表現を恐れず書いてしまうと、すべての「問題」は我々のすぐそば(工藤さんはそれを「半径3メートルの問題意識」と表現した)にある。
不登校・ひきこもり・非行・虐待・ニート、あげ始めたらきりがないが、それら問題の一つひとつは当然深刻だが、それら問題の一つひとつに我々は(そして若い人達は)より近くなっている。
それらは「向こう岸の問題」ではなく、足元にある問題なのだ。

それは「海外」も同じだ。世代が若くなればなるほど、「海の向こう」は近い。ということは、海の向こうで起こっている問題は他人ごとではないということでもある。一つひとつ例は挙げないものの、その「近さ」は世代が若いほどリアルだということだ。

これらは、「当事者性」という哲学的通俗的俗称で呼ぶにはふさわしくない。だがかわりの言葉がまだ僕は思いつかない。
だが、工藤さん世代の「次の世代」に関して、非常に明るい展望を僕は抱くことができたのであった。
そういう意味で、いいイベントだった。★