■コピーフリーの新バージョン
ひきこもり・ニート/スモールステップスケールver.2.0(©2012 NPO法人
淡路プラッツ)
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支援のステップ
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本人のステップ
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スモールステップの指標
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状態
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スモールステップのタイプ
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家族
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外出
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支援施設/
キーパーソン
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就労
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A.アウトリーチ支援
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1.ひきこもり
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①親子間断絶
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−
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−
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−
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−
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②外出不可
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◯
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−
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−
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−
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③外出可
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◯
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◯
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−
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−
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B.生活支援
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2.ニート
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④a心理面談/コミュニケーション
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◯
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◯
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★
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−
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④b心理面談/生活訓練
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◯
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◯
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★
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−
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④c心理面談/レクリェーション
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◯
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◯
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★
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−
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C.就労支援
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⑤就労面談タイプ
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◯
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◯
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◯
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−
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⑥短期就労実習タイプ
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◯
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◯
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◯
|
△
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⑦長期就労実習タイプ
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◯
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◯
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◯
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△
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⑧短期アルバイト
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◯
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◯
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◯
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◯
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⑨長期アルバイト
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◯
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◯
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◯
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◎−
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⑩正社員
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◯
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◯
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◯
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◎
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♯
♯
♯
昨日ブログを更新したばかりだが、実はいまは香川県に月一帰省中で時間があるので、ずっと気になっていた「ひきこもり・ニート/スモールステップスケール」をバージョンアップした。
これを今のところの決定版とする。
表タイトルに「©」とあるが、まあこれはかたちだけのもので、コピーフリーとします。
これは使えると思われた方は、どんどんコピーして使ってください〜。
以下、表を見る際のちょっとしたポイント。
■2-④a〜cの「支援施設/キーパーソン」が「★」印になっている
このキーパーソンこそが、当ブログでこのごろ触れている「変な大人」のことで、子ども・若者の内面に棲みつく内なる規範を、その変な大人の存在そのもので少し自由にしてあげることのできる存在、ということだ。
支援者の立場や有する価値や知識等の理由から、医師・教師・(普通の)カウンセラーがこうした変な大人になることはなかなか難しく(でも時々いらっしゃいますね〜)、NPOの職員やベテランワーカーのような今のところアウトサイド的ジャンルの職業に現れることが多い。
ただし、このキーパーソンは一時的に子ども・若者を癒すことはできるが、このキーパーソンのみで社会参加/自立の支援を行なうことは難しい。あくまでも子ども・若者の「時間の蝶番を外す」パーソン(変な大人論⑤)であり、支援そのものは、複数機関で取り組むことが望ましい(その際「司令塔」は必要)。
■従来の「心理面談型ニート」を、aコミュニケーション・b生活訓練・cレクリェーションの3段階にさらに分けた
親世代からすると当たり前の、こうした段階を体験していないことそのものが、ひきこもりやニート青年のコンプレックスを増幅し、社会参加をより困難にする。
この段階(生活支援)を丁寧にかつ一定期間内(半年〜数年)で体験していくことが、次の⑤就労面談にスムースにつながっていく。
ここは非常に重要で、これらを「そのうち、いつのまにか体験できる内容」だと軽く考えている保護者は、③の外出ができるようになると、いきなり⑤の就労面談につなげようとする。
うまくいく人も中にはいるが、ひきこもり期間が長ければ長いほど、容易に②に逆戻りしてしまう。
④の生活支援を、ステップを踏みしめるようにして一つひとつ体験することは、②や③への逆行の予防という点でも望ましい。
■バージョンアップ
2008年に出した『ひきこもりから家族を考える』(岩波ブックレット)の段階では、スモールステップは4ステップしかなかった。
あれから4年たち、僕自身脳出血という大病を経てなんとか復帰し、このようにスモールステップスケールが現実に見合うものにまでバージョンアップしてきた。
これまで講演活動ではこうした最新スケールをお伝えしていたのだが、きちんとまとめていなかった。
やっとまとめることができて、何となくすがすがしい。
この先も状況の変化に応えるために少しずつ変化していくだろうが、1年程度はこのスケールで間に合うと思う。★