2012年9月27日木曜日

youtubeインタビュー2「中間支援は黎明期のNPOにこそ必要」〜NPO法人しゃらく理事・小嶋新さんインタビュー


■10/6シンポジウム、予約ピーンチ!

というわけで、宣伝をサボっているせいか、実質ゲスト1人のためか(京都サポステ松山さん、すみません+よろしくお願いします!!)、20年プラッツももう終わりなのか、単に「理念型シンポジウムの時代がすぎ少人数型実践セミナーにニーズが移ったため」なのか、わざわざ出かけてくるのがみんな面倒になりこのブログにあるような動画を見るほうが手っ取り早くなったためか、たぶん全部が原因だと思うが、いずれにしろ10/6シンポジウムの予約状況がピンチだ。

このままでは50人定員の1/3も埋まらないかもしれない。そんなわけでみなさん、これからの青少年支援のキーワード「イバショ」を考えるこのシンポジウム、もし何か引っかかるものがあればご予約のほど、どうぞよろしくお願いします。

「イバショ〜なぜ子ども・若者に必要なのか」(10/6〈土〉14:00〜16:00、ドーンセンター)予約電話は、06-6324-7633、メールawajiplatz@gmail.comでも受け付けます。

もしよろしければ、11/3(土)「潜在化する10代〜高校中退予防の現場から」と、12/1(土)「発達障害〜告知と提示〈仮〉」へのご予約もよろしくお願いします〜。
20周年記念とはいえ、ネットで便利になったこのご時世に、やはり3ヶ月連続シンポジウムはきつかったかな〜。


■シェアNPOとオルタナティブNPO part2

といいながらも、来年1/19(土)にも、少し「メタ」な角度からイベントを開催予定にしている。
テーマは、「シェアNPOとオルタナティブNPO part2」。

同テーマで開かれた第1回目に関しては、こんな記事も書いた。
6/25イベント「シェアNPOとオルタナティブNPO」報告

ボランティアで出演していただいた工藤さんと加藤さんのご都合に合わせて開いた第1回目は、平日の午後に開かれたのにもかかわらず、50人近くの方々に参加していただいた。さすが、工藤さん、加藤さん!!
主催の関西カウンセリングセンター・古今堂さん、ありがとうございました。

次回の会場も、おそらく前回と同じ関西カウンセリングセンターになるはずだ(今から確認予定です〜)。
このように、イベント企画を現在進行形で報告していくというのも現代的だなあと思っている次第。



今回は、1/19のゲストに予定している、NPO法人しゃらくの理事、小嶋新さんにインタビューしてみた。しゃらくは、高齢者対象の「付き添い介助つき旅行」サービスを提供している。
少子高齢社会では、現役世代を税・年金面からカバーする「高齢者・若者・女性」を支援するNPOが重要な役割を担うと僕は考えている。
その意味から、しゃらくのような高齢者向け(単なる介護ではない)サービスを提供するNPOと、プラッツのような青少年支援NPOは、ゆるやかなつながり(weak ties)をもつ意味があると思う。

今回は、しゃらくのもう一つの重要な事業である「NPO中間支援」について簡単に語ってもらった。長いビデオは見るほうも疲れるので、小嶋さんに頼んであえて簡略して語ってもらった。

中間支援は、事業型NPOに拡大してしまったNPOよりは黎明期にあるNPOにこそ必要という、言語化できているようでできていない(それだけNPO業界そのものが黎明期なのだ)事情を語ってもらっている。★




2012年9月24日月曜日

スモールステップスケールver.3.0


■3.0にバージョンアップ

このところまた講演する機会が多くなり、とはいっても以前よりはだいぶ肩の力の入らない脱力系講演なのではあるが、ひきこもり・ニート支援にとどまらず、やはりNPO経営や日本社会の行く末などにも話が及んでしまう。

基本的にフリートークなのだけれども、何か指標のようなものは必要だろうと思って、例の「スモールステップスケール」をコピーした簡単なレジュメを用意していく。
そのレジュメを見ながら説明するのだけれども、従来のレジュメでは、「生活支援」や「キーパーソン」の中身について、あまり親切ではないということに気づいた。

そこで、ver.3.0として、下記の新スケールをつくってみた(これまでと同じくコピーフリーなので、関心ある方はどんどん使ってくださいね〜)。


ひきこもり・ニート/スモールステップスケールver.3.0©2012 NPO法人淡路プラッツ/田中俊英)
支援のステップ
本人のステップ
スモールステップの指標
状態
スモールステップのタイプ
家族
外出
支援施設/
キーパーソン
就労  
A.アウトリーチ支援
1.ひきこもり
①親子間断絶
②外出不可
③外出可
B.生活支援
2.ニート
④〈イバショと面談〉A
      イバショ:コミュニケーション(トーク)
      面談:心理カウンセリング/プチミー
④〈イバショと面談〉B
      イバショ:生活訓練(調理・清掃等)
      面談:心理カウンセリング/プチミー
④〈イバショと面談〉C
      イバショ:レクリェーション(買物・カラオケ・旅行等)
      面談:心理カウンセリング/プチミー


★…規範・規律等からある程度自由な「変な大人」の支援が有効

C.就労支援
⑤就労面談
⑥短期就労実習
⑦長期就労実習
⑧短期アルバイト
⑨長期アルバイト
◎−
⑩契約社員/正社員


































2.0(スモールステップスケールver.2.0)からは、Bの生活支援をだいぶ変えてみた。変更点を整理すると下記のようになる。

■「プチミー」を明記

プチミーとはプチミーティングのことで、アウトリーチに成功し淡路プラッツ(委託事業て含む)に子ども・若者がやってきたとしても、すぐに居場所/イバショに定着できるわけではない。
最初は通常の心理カウンセリングから出発し、趣味のトークも交えた1対1面談を地道に進める。

カウンセラーと子ども・若者が納得した段階で、イバショ(普遍性を持たせるためカタカナ表記にしている)へと接続していく(当然担当カウンセラーが同行する)。
だが、イバショは、なかなか気をつかうスペースだ。そこにいるのは、慣れたスタッフや、自分と同じようにひきこもり体験をもつ若者たちばかりなのだが、人が2人以上集えば、ひきこもり体験があろうがベテランスタッフだろうが、やはり気をつかってしまうものだ。

長くひきこもっていると、この気づかいそのものにたいへんな労力を感じてしまう。そのため、せっかくのイバショに溶けこむ気力が萎えそうになる。
そのとき、担当カウンセラーと簡単な振り返りや「自分がどういう点で気をつかっているか」ということを短時間(10分ほど)振り返る。

僕の経験では、この10分ほどの振り返りが結構効く。この振り返りをせずにプラッツ(関連施設)を帰るのと、振り返りをしてある程度すっきりして帰るのとでは、以後のモチベーションがまったく変わってくる。
一言でいうと、このプチミーあってこその「イバショ」支援なのだ。これは地味ではあるが、生活支援には欠かせない必須の要素だ。

10年くらい前から内輪でプチミープチミーと言ってきたのであるが、この前現場のスタッフとしゃべっていたら、いつのまにかこれが一般化し始めていた。
自分で考えた適当な言葉なので恥ずかしかったものの、この「プチミー」は、イバショ支援の可視化の象徴(つまりイバショは効果はあるのだがそれが見えにくいため、細かく言語化していく必要がある)のような気がしたので、あえてそのまま使うことにした。

■「変な大人」も可視化

今回の変更点のもう一つは、当ブログで何回も言及してきた「変な大人」について、その理論的有効性を取り入れたということだ
変な大人については、8月12日ブログ変な大人は複数になるの末尾にこれまでの変な大人論を6本(結構書いたものだ)をまとめているのでご参照を。

今回の表では、★印でキーパーソンを示し、そこに「変な大人」の可能性に触れている。まあキーパーソンが変な大人ばかりでもダメで、ここに臨床心理士やPSWもうまく配置すると、子ども・若者には有効に機能するだろう。

あ、そういえば10/6にプラッツ主催で20周年シンポジウムが開催されるのだが、うっかり宣伝を忘れていたらまだほとんど申込みがないらしい!!
当日、閑古鳥であればそれはそれである種の転換(もう理念的シンポジウムの時代はすぎ、もっと実用的で方法論的な少人数のセミナーにニーズが移行した)を例証するのだが、それでもこうした集いを必要とする人はまだまだいらっしゃる気もしています。

ご関心ある方はこのリンクを。イバショ〜なぜ子ども・若者に必要なのか
20周年なので、無料なんです〜。★



2012年9月20日木曜日

10の専門力〜青少年支援専門NPOスタッフに求められるもの〜


■「〜力」は嫌いだけど……

おっと、気づけば前の記事から1週間がたっている。この間たくさんのことがあったが、今回のブログでは、またiPhoneでのビデオもアップしつつ、青少年支援専門NPOスタッフに求められる「10の専門力」というものをまとめたので、ここにまとめておこう。

ビデオにもあるように、僕は「〜力」、というのを好きではない。というか、嫌いだ。
だが、どうも最近は「〜力」とつければ少し注目されるようだ。そんなわけで以下、軽〜い気持ちで、「〜力」をつけまくってしまおう。

文章で解説する前に、いつものiPhoneビデオによるyoutube動画を貼り付けてみるが、どうもホワイトボードの字が判別しづらいため、表にもしてみる。

脳出血の後遺症か、広汎性発達障害という言葉が浮かんでこない、よれよれスピーチ。


青少年支援NPOスタッフに求められる10の専門力

支援力
理論(臨床心理学・ソーシャルワーク・キャリアコンサルティング等)
実践・経験
支援の最新動向
発信(利用者向け講座・説明会等)

アドボカシー力
企画提案・政策提言
情報収集
プレゼン
発信(行政・企業・一般向け)
組織力
ホウレンソウ
スタッフ間のコミュニケーション













こうしてビデオと表に慣れてしまうと、ちまちま文章を書くのがかったるくなるが、少しだけ注釈を。

「発信」が、支援力とアドボカシー力の2つに含まれているように、黎明期にあるNPO業界にとって、発信力はスタッフに最も求められる力だ。
「企画提案」「プレゼン」「コミュニケーション」まで含めると、発信絡みは半分を占める。

自立支援法で「守られた」福祉系のNPOは別にして(別の機会に書くつもりだが、①自立支援法も委託である、②種々の自立支援法事業〜B型とか就労移行とか〜を中心に据えた福祉系NPOも経営維持には苦労しているようだが)、何の法的・経営的背景もない青少年自立支援系NPOにとって、こうした「発信力」をもとにしたアドボカシー活動は団体存続の生命線であるともいえる。

皮肉なことに、青少年支援の中心であると思われる「支援力」と同じ程度、スタッフには「アドボカシー力」が求められる。

■ジェネラリストとスペシャリスト

だがこのアドボカシー力が必要なのは、青少年支援NPOの全員ではない。
同種のNPOには現在3種類の職員が存在する。それは、①正社員、②年間契約社員、③非常勤社員の3つだ。

ビデオや表にある10の専門力が必要なのは、このなかでも正社員のみだろう。年間契約社員や非常勤社員は、10の項目の中のいくつかを集中して獲得すればいいと僕は思う。
つまり、前者(正社員)はジェネラリストであり、後者(年間契約社員と非常勤社員)はスペシャリストということになる。

1ジャンルだけで十分という人はスペシャリストを目指せばいいかが、残念ながら不安定な立場となってしまう。
すべてのジャンルを網羅したいあるいは安定な立場を獲得したいという人はジェネラリストを目指す必要がある。その場合、「支援力」や「組織力」だけでは不十分だ。幅広くアドボカシー力を体得する必要がある。★