PとG〜アメリカ型とヨーロッパ型の“公共性”

※1/19イベント「3世代NPOと『公共性』〜オルタナティブ、シェア、“Z”世代」参加者募集中!!
http://www.facebook.com/events/386883714732978/(Facebook中の同イベント案内)
http://toroo4ever.blogspot.jp/2012/12/3npoz.html(当ブログでの同イベント案内)
1月6日現在、講師も含めて参加予定は14名!! 十〜分、広い会議室ですので、1月のお忙しい土曜日だとは存じますが、下記ブログ記事などに興味を抱かれた方はどうぞご参加ください。
3人(田中・小嶋・加藤)の発表のあと、参加者も含めてミートアップ(ざっくばらんな語り合い)します。
オルタナティブ世代(60才前後)・シェア世代(35才前後)・“Z”世代(20代)という「世代」で区別する縦軸と、前回のブログでのイベント案内(行政の事業・寄付・中間支援等)や今回のブログで言及するPとGの「公共性」で区別する横軸を重ねあわせれば、2010年代以降の「公共的」ムーブメントの具体像が表れてくる、そんな気がしてきました。

グラフをつくってはりつけるのがめんどくさいので、以下に罫線でそれらしくつくってみると(ズレずにうまくいくかな)……。


                      公共性A(行政・寄付・中間支援)  公共性B(PとG)
            ——————————————————————————
   ・オルタナティブ │
世代 ・シェア     │     どう組み合わせるか?
   ・“Z”        │


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■2つの公共性〜Non-ProfitとNon-Government

『日本語の宿命』薬師院仁志/光文社新書
「社会」や「市民」等の邦訳された用語を、日本語の特性と絡めながら解説。
7章にNPOとNGOのわかりやすい解説あり。
いろんな本を探したが、いまのところこの7章が一番わかりやすかった。
ということで、どんどんイベント案内が大きくなっている当ブログだが、1/19まではお許しください〜。Facebook(僕の「友達」は500人程度)とこのブログ(更新日は500アクセス、ふだんは250アクセス程度)だけで、しかも参加者に直接利害の及ばないメタ的テーマで、どれだけ集客できるかの実験でもあるんですね。

あら、案内だけでブログ限界文字量(読者が一ブログに立ち止まることのできる文字数は、上限2000字程度だと僕は思っている)半分を占めてしまったので大急ぎで以下書いてみよう。

今回のタイトルにあるPとGとは、「NPO」と「NGO」のそれぞれのPとGで、それらは当然、ProfitとGovernmentのPとGということになる。
この2つの区別が僕はわかっているようでわかっていなくて、ずっともやもやしてきた。が、今回とりあげている『日本語の宿命』を読んで、やっとすっきりした。なるほど、NPOとはアメリカ型「公共サービスの補完」で、NGOとはヨーロッパ型「公的サービスの創造」なんですね!!

■Pはアメリカ、Gはヨーロッパ

超簡潔に説明すると、時に小さな政府を標榜する(主に共和党政権時)アメリカでは、不足する公的サービス(福祉・教育等)を地域コミュニティが伝統的に補ってきた。
それらは当然営利組織ではなく、行政組織そのものでもなく、しいていうなら「非営利Non-Profit」と言うしかない組織。Non-Profitな組織が、つまりは行政の足りない部分を肩代わりしているんですね。

これに対してヨーロッパでは、伝統的に行政とは公的サービスをすべて行なう組織体であって、それはNPOが補完するものではなく行政自身が拡充することを目指す(あくまで理念的レベルの話です)。
が、当然のことながら、行政サービスでけでは人は物足りない。旅行や趣味等、幅広いジャンルで人は興味や欲求を抱く。

こうしたジャンルには行政サービスは立ち入る必要性がなく、かといって営利企業が提供するサービスだけでは資金的・内容的に物足りないものもある(たとえば高齢者対象の低料金での「個人的思い出確認の旅行サービス」等〜そういう意味では、1/19主催者の一人NPO法人「しゃらく」理事小嶋さんのところのサービスなどは、理念的にはNGO的なわけです)。
こうしたジャンルを対象とするのがNGOだ。

近年では、環境・貧困・反戦等、一政府や各国間のパワーバランスに振り回される国際機関だけでは解決が難しい社会問題をNGOが担っているため(「国境なき医師団」等)、その意味合いが逆に曖昧になってしまったが(だから僕も長年理解できなかった)、元々は、政府が担うべきではなくかといって企業では採算が取れない分野を担うのがNGOだった。

ちなみに上記NGOの「公的サービスの創造」という言葉は僕の造語だからご注意ください。『日本語の宿命』にはぴったりくるコピーがなかったので仕方なくつくった次第。

■サードセクター

現在の社会貢献セクターでは、NPO的理念もNGO的理念も混在しているように僕には見える。
日本語に「第三セクター」という曖昧な用語さえなければ、NPOとNGOを一括りにして「サードセクター」にしてしまってもいいように思ったりするが(Wikipediaにもそう書いてた)、たぶんすでに遅い。

サードセクター的動きとして、Non-ProfitとNon-Governmentの2種類があり、現在の日本のNPOはこの2つを自分たちで明確に区分しないまま活動している。
が、財政的事情(委託事業の獲得しやすさ)から多くはNP系(公的サービスの補完)の活動であり、それは言葉は悪いが「福祉ゼネコン」「教育ゼネコン」であるともいえる。
まあゼネコンがなくては何も建設できませんから、それ自体は悪いわけではない。安易な予算の使用チェックという点で、それらは厳重な監視が必要なだけだ。

ここに世代的区別を絡めて、上記マトリックスをどう埋めていくか。当事者(ここでは NPO経営者&理事&事務局)の高い意識が求められる。★