4月からフリーになります!!


■広島の前に……

2/3〜4と広島を訪ねた。「哲学者になる」の2回目のiPhone収録を行なうためだ(1回目「哲学者になる」はここ参照→http://toroo4ever.blogspot.jp/2012/11/blog-post.html)。
広島で語る田中。
原爆ドームは残念ながらカメラの後ろ。

今回残念ながら、メンバーの1人・大北さん(大阪大学「臨床哲学」教員)はインフルエンザで欠席したものの、菊地さん(大学スーパー非常勤講師)と僕とで出かけ、広島の個性的な方々(大学教員・フリーダンサー・ドキュメント映像作家・ノンフィクションライター等々)とともに、主として「NPO等のサードセクターの限界と、『フォースセクター』の可能性」について語った。

で、前回記事や、今回の記事一番下の予告youtube動画でもなんとなくほのめかされているように、4月から僕の立場が変わることになった。今回はその報告を簡単にし、「哲学者になる@広島」に関しては、次回以降、小出しに紹介していくことにしよう(原爆ドーム前で8人が語ったため盛り上がり、収録時間が長くなったため、編集に時間がかかるということもある)。

■フリー宣言

タイトルにあるように、4月から僕はフリーになります。理由は単純です。
つまりは「過酷な代表業に脳出血後の身体がそろそろついていけなくなった+50代を自分のテーマにより近いかたちで過ごしたい」ということです。

僕は2010年8月の脳出血までは「プレイングマネージャー」(現場も経営も)であり、病後はほぼ代表業だけを行なってきた。
現場の面談や居場所仕事がなくなったからこりゃ楽になるわと思っていたのだが、まったくそうではなく、ミッションと行動指針の再確認、各戦略(全体+コーポレート機能別〈人事・財務・広報等〉+各事業)策定+次年度に向けてのアドボカシー+外部機関(行政・民間・大学)との人脈づくり等々、面談(支援)仕事はないはずなのに、きちんとNPO経営に向きあうと(病気までは流されるままでした)、これでもかというほどやることが出てくる。

加えて、昨年は3回連続20周年記念シンポジウムやそれをきっかけとした組織・経営改革にもとりかかり(残念ながら道半ばですが)、気づけば最近は、また以前のように頭がフラフラすることが多くなっていた。

決定打は、関係ないかもしれないけれども長年のファンであった大島渚が亡くなった際、彼は1度目の脳卒中の後は回復して『ご法度』を撮ったものの、ハードワークがたたってロンドンの空港で再び倒れたという記事を読んだことだった。1回目の卒中から3年後だったという。
御存知の通り彼はその後、小山明子さんの介護もあって17年間見事に生き切ったものの、重い障害が残った中での晩年となった。

そうやって生き切った大島さんを僕は尊敬するのであるが、2回目を予防できるものであれば予防したい。

■「officeドーナツトーク」を4月から

僕にとっての最大の再発予防は、「ストレスを軽減すること」につきる。それはつまり、上に書いたように見えにくいが超多忙である(事業型を標榜する)NPO代表職をいったんおりて、「組織」ではなく再び「個人」として働くことだ。
個人としてであれば、多少忙しくなっても、自分で仕事をセーブすることができる。組織の代表とは忙しさの質が違うのだ(これについては別記事で考察します)。

個人に戻れれば(ちなみに僕は20代の「さいろ社」起業のあと、「ドーナツトーク社」という個人事務所を開業していました→2000年5月淡路プラッツ初代塾長・蓮井学さんの急死によりドーナツトーク社を休眠させてプラッツ再興を手伝い、02年に代表に就任)、おそらく再発は予防でき、また現在行なっている活動を濃縮して続けることができる。

新事務所名は、「officeドーナツトーク」を予定している。ドーナツトーク社再興ですね。
これから当ブログ(このブログは4月以降も継続するがタイトルが変わる)でofficeドーナツトークの内容をお知らせしていくが(もちろんプラッツの宣伝も忘れません〜)、いま決めていることだけ羅列すると(ミッションや行動指針は飛ばします)……。

■officeドーナツトークの4つの事業

officeドーナツトークの事業は以下の4つを予定している。
①青少年支援コンサルティング事業……訪問や面談スキルを内部セミナーやコンサルティングでサードセクター・行政・教育・福祉関係者に伝えていく。

②啓発事業 
 小規模な一般向け講演会の主催、発達障害やひきこもり等の支援スキルワークのセミナー主催、研究会主催、また「NPOユースネット」(3/16に開催する初回をプレイベントとします)、「アジアとひきこもり研究」(これはまだ構想段階)や「哲学者になる」(抽象的になるが大事な観点)等の、お金にはならないけれども僕の得意な先進的分野を提示していく。
 スピーカーとしては、今までどおり、お声がけしていただいたところでニーズ通りにしゃべります。

③保護者支援事業
 代表業で3年ほど休んでいた面談やセミナー/ワークを再開する。
 また、夫婦対象の「父と母のためのカウンセリング+コンサルティング」を開始し、現代の男性・女性に固有の問題を共有し、家族の安定に結びつく面談を行なう。
 子どもや若者の直接支援は、①や④で育てた人材に行なってもらおうと思っている。

④インキュベート事業
 インキュベートとは「中間支援」のこと。これは、最近の当ブログの読者であればピンとくると思う。これからの日本は、サードセクター(行政でもマーケットでもない、第3のムーブメント)をどう育成していくかにかかっていると僕は思う。
 青少年支援機関オーガナイズとNPOコンサルティングの2本柱となるだろう。①は支援技術の伝達だが、これは経営的側面(組織・戦略)が大きくなる。

■外部コンサルとして

4月からは、プラッツとは、①や④の事業を通して、外部コンサルタントとして関わっていくことになります(プラッツ新経営陣からのニーズがあれば〜)。
春からも円滑に事業がすすむよう、あと2ヶ月は全力で引き継ぎしていきますね。

ちなみに一般社団法人は想定していますが、理事・監事合わせて2名(NPOは4名)とはいえ法人化して行政事業も始めるとまたもやあの多忙がやってくるようで、4月時点では完全個人経営かなあと思っています。

また、4月からは完全フリーなため、今のところ収入の見通しゼロ。第2四半期(9月)くらいまでがんばりますが、そのときダメならどうしよう……。でも実は告白すると、大病以来、仕事の中身にはあまりこだわらなくなっていて、ドゥルーズやニーチェではありませんが、「その瞬間を生き切ること」が最重要だと思っています。

だから、食べていけなくなればそれはそれで、年金生活している71才の母親に一時的に仕送りしてもらおうと気軽に考えているのです。現代のプチ裕福な高齢者世代はいつまでも子どもから仕送りをせびられる時代なんでしょうか(というか、僕の場合、単なるわがままか)。
まあこんなひきこもり支援者がいてもいいでしょう〜

考えてみれば、さいろ社を松本君と起業した25年前から、僕の人生は基本的にこんな感じです。故・蓮井さんへの恩は十分返したと思いますので、また元に戻っていきます。
みなさま、4月からもどうぞよろしくお願いします(3月まではプラッツにいますよ〜)。★

以下、「哲学者になる」@広島の予告です。冒頭6分の語り。背景の原爆ドームや参加者の面々を早送りするだけでもおもしろいですよ!!

菊地さんが冒頭に説明(明晰、さすが!!)。僕は後半(何言ってるのか不明)。
見どころは、柵つき原爆ドームと、濃〜い広島の方々の顔。この方々の登場は次回以降です!