2013年5月27日月曜日

①目の前の課題解決型、②社会起業家型、③社会変革型、④仕方なく型〜4つのNPOタイプ 


一般社団法人officeドーナツトーク公式ミニHP まのまトーク③「途方に暮れる高校生」+保護者向け「ドーナツトークセミナー」のお知らせ


■4タイプのNPO

本文とは関係ないが、古市憲寿著『僕達の前途』(講談社)。
特に最初の数章は、これからの日本の組織のあり方を提示する。
著者の意図とは少しズレてるかもしれないが。
ここ2回、officeドーナツトークのミッションと行動指針を取り上げてきたが、その路線は少し一服し、最近久しぶりに「ソーシャルセクター」について考えたことがあったので、今回は簡潔にまとめることにする。

それは、現代日本のNPOをはじめとするソーシャルセクターには、以下の4種類があるのでは、という分類と問題提起だ。
それらをさっくり並べてみよう。

①目の前の課題解決型/行政の補完型/準ファーストセクター型
②社会起業家型 /準セカンドセクター型
③社会変革型/サードセクター型
④仕方なくソーシャルセクター型

■①のNPO〜目の前の課題を解決するためにNPOになった

NPOのPはprofit(営利)であって、non-profitとは文字通り非営利を指す。非営利の代表的サービスは、当然「行政」サービスということになる。
少し前、当ブログのこの記事(PとG〜アメリカ型とヨーロッパ型)でも言及したように、NPOは基本的にアメリカ中心で広がっていった組織形態であり、州によって行政サービスがまばらなアメリカならではの、民間サービスの力で行政を補完せざるをえないシステムだ。

文献を読み込んでいないので間違っているかもしれないけど、僕の今のところの直感では、元々NPOには、行政ではカバーできない非営利的なサービスを市民からの(税ではなく)寄付によってまかなう、という意味があると個人的には結論づけている。

これが「準ファーストセクター」型の意味だが、これにプラス、「目の前の課題を解決するために勢いでNPOになった」組織という意味合いが現代日本のNPOには含まれる。

ひきこもりやニートの問題に例をとると、目の前で困っているひきこもりの若者とその保護者がいて、その問題を支援し解決したいという人が現れた時、最初は個人の力で支援施設的なもの(「居場所」や就労支援等)を開設してボランティア的サービスを提供するのだが、徐々にニーズが増えてくる。

その支援施設的なものに、「自分も支援側に加わりたい」という人も加わり、一定の組織になってくる。
その際、「ここまできたんだからNPOでもとっちゃいましょうよ」的声が内部から上がり、代表的な人々のもとで法人設立の手続きがすすめられ、半年後、無事NPOになる。

で、自主事業に加えて、周囲からすすめられるままに委託事業や補助金取得なども行ない、やがてはさらに大きな行政の事業を委託・補完するようになり……と、「気づけばソーシャルセクター」なNPOは、日本には結構な数があると僕は読んでいる。

このタイプは、目の前の課題(例でいうとひきこもり)が何らかの解決ベースに乗り始めた時、組織自体の存続理由を失ってしまう。
大きなミッション(超少子高齢社会の解決等)が最初からあれば問題ないが(その大きなミッションのために次の課題〜たとえば「団塊世代を活用したサービス組織化」等に向かう)、その組織は迷走し始める。

だから、さらに行政の補完機関(下請けですね)となっていき、ミッションがブレたまま、組織が振り回される。
たとえば、今年以降起こる「下請け」要請の代表的テーマは、おそらく「生活保護」がらみの事業なのでは、と僕は予想しており、多くのNPOが見よう見まねでその要請に応えていこうとするだろう。

■企業家なのに「寄付」

①だけで書きすぎてしまったが、まあ①の問題がいまの日本のNPOの問題の多くを占めると思われるため、ま、いいか。
①の方々、気をつけてくださいね〜

②は、いま勢いのあるNPOはだいたいこのタイプだ。おもしろいのは、このタイプのリーダーに、日本の「寄付」文化の再考を促す提案をする人がいるということだ。
上でも書いたように、本来は、行政の下請け機関から抜け出すためにも、①のタイプのNPOが中心となってNPO財政基盤の再検討をすすめ、その第一の方策に「寄付」があげられてもいいと思う。

が、実際は、この②のリーダーたちが日本文化の変更という壮大な展望を背景にして、寄付文化について問いかけている。やはりチャレンジスピリットをもった方たちだ。
僕は日本ではなかなか寄付文化は定着しないという考えだが、こうした試みは非常に尊敬している。

でも本来は、起業家=企業家的なこの②のリーダーが理念的に発信するのではなく(日本では「理念」の影響力が残念ながら弱い)、①のNPOたちが、行政の下請け機関からの脱出を求めて自主的に「損得」の観点から(日本は損得の観点は受け入れやすいと思う)訴えていってほしいものだ。
日本に47,000ある(らしい!!)NPOの数としても、②は目立つけれども圧倒的少数派だと思われ、やはり大多数は①か④(これが最大派閥?)だろう。これらのグループがもっと主体的に寄付文化を考えていってほしいものだ。

あと、②のNPOは、団体規模の拡大とともに、リーダーの才覚(あるいは遠大な個人的ミッション)がそのNPOのミッションを超えてしまうという、いいことか危険なことかわからない事態も待ち受けている。
そのとき、リーダーは、これまでの自分の組織中心で動くか、さらに自分の企業家スピリットを展開していくかが問われる。経営とは究極的には「組織と戦略」だといろいろな本に書かれているが、まさに、NPOの器をリーダー(たち中心メンバー)が上回った時、新たな「組織と戦略」が求められるのだ。NPOは生き物ですね。

■③は存在せず、④こそ大多数

③は現在あまりない(と思う)。その、どうしようもない事実を、おそらくみんな気づいているけれども誰も指摘しない。このブログでも継続課題にしていこう。

④は、①のウラタイプといってもよく、①になりきれなかった大部分のNPO(つまりは47,000団体のうちの80%ほど〜ということは、38,000も?)がここに属すると思う。
主体性もあり課題解決志向はあるが、そのことが社会貢献とはつながっていないタイプ。

要は、70年代の「市民運動型」組織といってもいいかもしれない。
このアマチュアくささの中にこそ「社会貢献」の真髄が含まれており、①も②も時々忘れてしまう「思い」をたくさんもっている。
が、組織や戦略よりも「思い」中心のため、経営的+組織存続的にいくつもの課題を抱えている。

日本の社会貢献は、まだまだ緒についたばかりなのだ。

う〜ん、こんな短いスペースでは書ききれない。これら①〜④についてはさらに検討していきます。★






2013年5月20日月曜日

住吉区で「子ども・若者育成支援事業」を行ないます〜「潜在性へのアプローチ」の実践


一般社団法人officeドーナツトーク公式ミニHP 保護者向け「ドーナツトークセミナー」のお知らせ(メールかお電話で!!)
Yahoo!ニュース個人子ども若者論のドーナツトーク「ジョブズは若者に夢を与え、柳井さんは若者から夢を奪う」

■住吉区での委託事業

何日か前のFacebookやTwitterでもお知らせしたが、このたび、NPO法人み・らいずと当一般社団法人officeドーナツトークが共同事業体として、大阪市住吉区の「住吉区子ども・若者育成支援事業」を委託されて行なうことになった。
で、その挨拶を兼ねて、話題の吉田康人・住吉区町に表敬訪問した。その際の写真がこれ。

富士山をバックにツーショット。僕も区長に見習って笑顔の練習しようっと。

事業は、4つに分かれる。それは、
①ネットワークの構築
②関連機関の情報収集
③当事者・家族・地域への啓発となる講演会や研修会の企画・開催
④広報、周知、啓発活動
であり、これらすべてを通して、住吉区内に子ども若者問題に関する支援システムを構築していくことを目的とする。

様々な問題を抱える大阪市南部エリア(住吉・西成・住之江・東住吉・阿倍野・天王寺・平野等)において、まずは住吉区においてこうしたシステムづくりの端緒を切り開くことで、この「子ども若者問題の潜在的エリア」に徐々に「住吉システム」を広げていければ、と考えている。

よく言われることだが、少子高齢社会やグローバリゼーションによる産業の海外進出と国内空洞化、おそらくそれと連動したニートやひきこもり等の子ども若者問題をかかえる我が国は、「課題先進国」である。
このような課題の一つひとつにそれなりの解を与えることが、「課題解決先進国」となり、こうした実践がそのまま20年後(いや10年後かな)の日本の強力な輸出ソフトとなっていくだろう。

加えて、大阪市南部の諸区が抱える多くの問題は、おそらく各先進国の中でもトップ級の問題だと僕は思っている。
それらは、たとえば「ひきこもり/ニート」や「虐待」や「母子家庭」や「貧困」や「ホームレス」といった単体の問題ではなく、それらがおそろしく複雑に絡んだいわば「プロブレム・コンプレックス」(僕の造語です)の状況になっている。

ここまで先鋭的に課題が突出・複合しているエリアは、日本の中でもそれほど多くはないと僕は思う。
ここでの実践が、日本の実践のモデルとなり、それが結果的に「世界のモデル」になっていったらいいと僕は思っている、大きな話で恐縮だが。

■ビジョン〜ミッション〜行動指針

「システム」といっても、それは結局は「人と人との組み合わせ」を意味しており、実際には、人と人とのつながりを提案し、粘り強く実践し、維持し、拡大していくことにつきる。
それが結局は、住吉区にひそむ「潜在的」問題へとアプローチしていくことになる。

で、前回のミッション(http://toroo4ever.blogspot.jp/2013/05/511office.html)の続きになるのだが、ソーシャルセクターには、目指す世界観である「ビジョン」のもと、その団体独自の「ミッション」があり、それをより具体的にイメージさせる「行動指針」がある(もちろん普通の企業にもあるが)。
ドーナツトークにあてはめてこれを説明すると以下のようになる。

◯ビジョン
「子どもや若者が、それぞれの生き方をそれぞれの環境にとらわれることなく安心して選ぶことができる社会をつくることを目指す」
 ↓
◯ミッション
「困難を抱える子ども若者に対する、支援システム・人材育成等のイノベーションを提案する」
 ↓
◯行動指針
 ①先進性
 ②潜在性へのアプローチ
 ③公共性(ネットワークとコラボレーション )
 ④ 哲学のイノベーティブな活用

この、「ビジョン」「ミッション」「行動指針」は、机上の空論ではない。
今は立ち上げたばかりだからひたすら前に進むだけだが(まあ、健康に注意してちゃんと休みながらです〜)、数ヶ月もたてばすぐにいろいろな課題や誘いが現れるだろう。

そのときにいつも立ち返る場所が、この「ビジョン」「ミッション」「行動指針」だ。
こうしたものがないと、事業上のいろいろなお誘いをすべて引き受けることになったりする。そして、そうした目先の事業に振り回され、そもそも何がやりたかったのかがわからなくなってくる。

今回の住吉区事業は、行動指針中②「潜在性へのアプローチ」のど真ん中にある事業だ。①③なども十分満たしている。
健康に注意しながら(これ、僕にとっては本当に重用なのです)、NPO法人みらいずとともに着実に成果をあげていきたい。★





2013年5月13日月曜日

ミッションと「弱いつながり」〜5/11officeドーナツトーク・キックオフ!!



一般社団法人officeドーナツトーク公式ミニHP「まのまトーク② 魔法の言葉 自己責任」
Yahoo!ニュース個人「子ども若者論のドーナツトーク」アムロは最後にみんなを助けた~発達障がいと「ニュータイプ」2


■ドーナツトークのミッション

5/11、「キックオフ」イベント(設立式のことがいつからかこんなふうに呼ばれている〜昭和な僕は知らなかったです)を定員を越えたため2部入れ替え制で終え、一般社団法人officeドーナツトークが正式に無事スタートすることができた。

結構盛り上がったキックオフイベント。
その最中は写真を撮り忘れたので、イベント後のドーナツの食べ残しをとりあえず。
今回ブログはミッション解説ですが、同イベントでは他ジャンルとのコラボのヒントをもらいました。


ドーナツトークのミッションは、「困難を抱える子ども若者に関して、支援システム・人材育成等のイノベーションを提案する」だ。
具体的には、直接支援と間接支援のイノベーションがある。

直接支援については、たとえば、高校中退予防に関する取り組み、「スモールステップ支援」のバージョンアップ、現代社会に見合った自立支援法の活用等を通して、子ども若者分野の潜在的マイノリティへの支援を行なう。

間接支援は、これまで「中間支援」と呼ばれているジャンルだが、これではイマイチ意味不明なため、「NPO支援」と言い換えていきたい。
子ども若者支援を行なうNPOに対して、a.子ども若者分野の「支援コンサルティング」と、b.「経営/運営コンサルティング」を行なう。
この間接(中間)支援を英訳すると「インキュベーション」となり、ドーナツトークのリーフレットのコピーや名刺などで使われている。

aの支援コンサルティングは言い換えると「スーパーバイズ」であり、bの経営コンサルとは区別する必要がある。
経営コンサルは大きく分けて3つあり、ⅰ.ミッションの確認、ⅱ.「組織」の創設・確認、ⅲ.「戦略」の創設・確認だ。戦略は、「全体(戦略)」「コーポレイト機能別(広報や人事)戦略」「事業戦略」の3つのオーダー(階層)がある。

何か経営教科書みたいになってきたので、そのついでにざくっとまとめると、こんなふうになる。

■ミッション、組織、戦略

□直接支援
・自主事業や委託事業等のなかで直接的に子ども・若者を支援する。ここに「となりカフェ」なども含まれる。

□間接支援/NPO支援
・支援コンサルティング……支援内容のアドバイス
・経営/運営コンサルティング
 ⅰ.ミッションの確認
 ⅱ.組織……法人「全体」(代表と各理事のあり方、ピラミッド型かフラット型か等)、コーポレート「機能別」、各「事業」の3オーダーを検討する。
 ⅲ.戦略……法人全体、広報・人事・財務(目先の会計事務ではなく数年単位の財務戦略のこと)等の機能別、各事業ごとの3オーダーに分かれる。

忘れがちだが意外と重用なのが「ミッションの確認」で、古いNPOになればなるほど、曖昧なミッションが多く、この曖昧さが、NPOの事業規模の拡大時に法人全体の統率感を欠くようになってくる。
ついでに、こうしたミッションがよって立つ「ビジョン(社会や世界の見方)」も言語化し、そうしたビジョンのもと、当初のミッションを時代にあったものに焼き直していくことも、社会貢献前線プレーヤーのNPOには欠かせない。

このような過程のなかで、普通の「社会福祉」「教育」「自然保護」等の団体なのか、大きなビジョンと理想的なミッションに支えられたNPOなのかの区別もはっきりとする。

多くの場合、目の前の諸課題に対応するために創設されたNPOが多く、事業規模が小さい場合はあまり問題はないのだが、規模が大きくなると(当初の課題を解決するだけのシステムが創設されると)、そのままその課題に向き合うだけの団体でいるのか、大きなミッションに従って(たとえば「少子高齢社会のなかでの子ども・若者の幸福」といったような理念的ミッション)事業の幅や規模を拡大していくことになる。

■弱いつながりweak ties

日本のNPOは47,000を越え、そのうち2割程度が「事業型」と言われている。この 2割の事業型NPOに上のような問題が生じていると僕は推測している。
また、「行政の補完機関」としての色合いが強い日本のNPOは、これからも今以上に、行政事業を委託されて行なうようになるだろう。

そうなると、事業型NPOはどんどん増加していく。事業規模が拡大し始めると、ソーシャルセクターを代表するNPOといえども、上のような経営や組織の問題は普通の会社のように噴出するはずだ。

僕個人としては、『僕たちの前途』(講談社)で古市憲寿氏が示唆していたように、少人数(3〜5人程度)の法人が短期間(1〜2年程度)の事業ごとにコラボレーションしたり、大企業/行政の補充を「ウィンウィン」で行なったりすることに賛成だ。
このようななかで、日本のNPOが担わされている「行政の下請け機関(今のところそのような意味でnon-profitが使われているような……)」色を各NPOに意識してもらい、「下請け」ではなくNPOこそが「ソーシャルセクター」の雄なのだということをその都度確認していきたい。

が、職員を雇用し、食べることに必死になってくると、NPOは「下請け」か、あるいは第2株式会社化していく。あるいは、フツーの社会福祉・教育団体か。
真のソーシャルセクターは日本にはまだ限りなく少ないと僕は思っている。

2010年代以降の組織は、基本的に少人数で身軽な「弱いつながりweak ties」を元にコラボレーションしていくことになると、アメリカの社会学では予言されており、僕も基本的には、officeドーナツトークをこのような組織にしていこうと思っている。

ミッションの下位概念である「行動指針」については次回以降!!★


  

2013年5月6日月曜日

Yahoo!ブログ、アクセス1位の意味〜発達障がいと「ニュータイプ」


一般社団法人officeドーナツトーク公式ミニHP



■1位のスクリーンショット

ゴールデンウィークの前半部において僕は、「変な人」や「哲学者になる」などのテーマで怒涛のブログ更新をしたのではあるが(ほとんど動画でしたが)、その勢いのままYahoo!ブログにおいて「発達障がいはあの「ニュータイプ」かもしれない」という記事も書いたところ、このアクセス数が1日ですごいことになった。

その正確なアクセス数を書いてしまうとYahoo!さんとの約束違反になる可能性があるのでぼやかすことにするが、まあ、これがすごい。
実は、「80万」アクセスを余裕で越えた数字になっているのであった。

で、2日後には「Yahoo!ニュース・個人」で、堂々の一位になった。
記念にと思って、iPadミニでスクリーンショットしたのが下記画像だ。

右端にアクセスランキング(個人)とあり、
1位が僕。4位が敬愛する江川紹子さんだったりする。
字が小さいので特大サイズで〜

この数日、Facebookを通してたくさんの「友だち」申請があったりと、わりとたいへんだったのだが、僕としてはビミョーに複雑な気持ちでもあった。

■イケダハヤトさんに見習って

Yahoo!ブログの下にはたくさんの書き込み(40件を超える)があり、そこには当然批判的な書き込みもたくさんあるが、尊敬するプロブロガーのイケダハヤトさんのアドバイス(イケダハヤト流! ネットの誹謗中傷・炎上を自分のエネルギーに変換する「回路」の作り方)に従って、僕にとっては、これらの批判は力へと転嫁できている。

まあ批判的書き込みも含めてすべてのものは実に冷静・的確なものだから、やっぱりYahoo!さんは書き込みも厳格にチェックしてるんだろうなあと推測してしまった。
だから、それら書き込みのほとんどは書き手(僕)へのエールか、それぞれの書き込み者の思い・苦悩が的確に綴られている。
また、僕への批判的書き込みも、実に的確で、イケダハヤトさんに頼らずとも、「なるほど〜」とうなづいてしまうものだったのだ。

では、何に対して僕はビミョーな気持ちになっているのか。
それは、この僕が思いつきのまま書いた(とは言いながらそれなりに熟考したのではあるが)「ニュータイプ」という表現にこれほどの方々がピンときてしまったこと、につきる。

どれだけYahoo!が日本屈指のネット媒体だとしても、無名の新人ブロガーが書いたスタートして7本目の記事に対して、80万人もの人がアクセスしてくるのは、やはりおかしい。

そして、自分で言うのも申し訳ないが、ネットブログらしく(そんな80万もアクセスがあるとは思わないし……)わりと荒っぽい文章と論考で満ちている記事であり、その「思いつき感」がネットブログの最大の長所と短所であると僕は思っているのではあるが、まあとにかく、いわばタイトルと思いつきだけの文章がここまでの支持を集めてしまうのは、ここで取り上げたテーマに対して、たくさんの方々が「何か」を胸に抱いているということなのだ。

■自閉症スペクトラム障害は実は二番目の問題

Yahoo!ブログの僕の記事の最大のポイントは、「発達障がい(特にアスペルガー症候群)の方が抱える『社会への溶け込み方の困難さ』と『(特定の部門に偏った)才能の突出(一部有名人の話ではなく、環境設定次第でどんなアスペの方もこうした力を発揮できると僕は考えます)』は、まるであの「ガンダム」シリーズに出てきた「ニュータイプ」そっくりだということだった。

DSM-Ⅴにおけるアスペルガー表記の消去と自閉症スペクトラム障害表記への変換については、実は僕にとっては二番目の問題で、最も考えたいことは、上記の「新しい人間としてのアスペルガー」だった。

ここには、①プチ優生学的発想が潜り込んでいること、も了解している。また、僕が従来語ってきた②「たとえば高度成長期にもアスペの方はたくさんいたが、社会・経済環境がその存在を目立たせることはなかった→2010年代に出てきた話ではなくある程度の普遍性をもつ話」という議論展開でご批判も受けた。

これらはまったくその通りではあるが、①に関しては、現在アスペの方々は日本ではやはり差別されることが多くあることから、マイノリティ防衛のためにもこの種の議論はある程度許されるのではないかということ、②に関しては、社会・経済状況を合わせて考えながらも、個人の能力・個性を同時に議論することは矛盾しないのではないか、というあたりを語っておきたい。

■発達障がいに対する肯定性

僕がいちばん気になったのは、つまりは「発達障がい」に関する定義付け・名づけに関して、専門家の間での議論がいかにもすべてをリード・統御しているように見えつつ、その実は、多くのフツーの方々(発達障がい当事者・家族・関係者・支援者、そして直接接点はないもののこの問題に関心のある非常に多くの=何十万人の方々)にとっては、それら専門家による定義付け・名付けが全然ピンときていないのではないか、という(事実かもしれない)可能性だ。

「ニュータイプ」は、そうした人たちの不満のはけ口になったひとつの名付けだったのだと思う。
そこには、発達障がいの方々への肯定・敬愛が含まれつつ、何らかの説明付がなされている。ニュータイプというSF設定の中のものではあるものの、肯定性と説明付のニュアンスがはっきりと含まれている。

逆にいうと、現在ある「発達障がい」をめぐる言説が、これら「肯定性に包まれた説明」が抜けているということだ。
これはおそらく、「精神医学」そのものの性格から来ていると思うのだが、ここではそこまで踏み込まない。

次回のYahoo!ブログは前回の続きを書こうと思っているのだが(あと数日以内に更新します〜)、当ブログはより「メタレベル」な感じで書くことができるので、今回の件を今の段階で振り返ってみた。★