「宮崎県の鰻」は美味かった

先週は「魅力」シリーズで1日の気分転換をはかったので、今週は「美味かった」シリーズをやってみたい。

あれはもう25年くらい前になるか、九州旅行マニアの弟が運転する車に乗って、九州(大分〜宮崎〜鹿児島〜熊本)2泊3日強行突破旅行にでかけた。

その際、宮崎県の国道10号線沿いだっただろうか、そのあたりで食べた鰻屋の味がいまだに忘れられない。

関西風に焼く鰻重は、より焼き方と素材の自然さが徹底していて、旅先のあらゆるところで食べた鰻の中で、宮崎県の鰻が僕の口には最も合っていた(2番は高知・四万十川の鰻)。

僕の鰻の原点は、60才で過労死と飲み過ぎで死んでしまった父が、休日に時々炭火で焼いてくれた子どもの頃のあの味だったと思う。
あれも、四国の天然鰻+炭火+自家製タレの完ぺきな組み合わせだった。

カリカリな歯ごたえに、まったく臭みのない鰻、そこに少量のタレと山椒で包み込まれる。
父の鰻も、宮崎の鰻も、すごかった。

高価なわりには臭みが強いここ15年ばかりの鰻は、僕は食べる気がしない。また、若い頃のように、完ぺきな鰻を求めてあちこちさまよう気力もなくなってしまった。
その結果、「宮崎の鰻」が神格化されている。でも、あれは本当に完ぺきだったなあ。★


食べログから拾った宮崎県にある「うなぎのかわの」の写真。
25年前のあの美味は、ここだったかもしれないし、他所だったかもしれない。